2014年6月5日木曜日

2014年度第2回定例会記録(2014月5月24日開催)

2014年5月24日(土)に2014年度第2回定例会が開催されました。



・日時:2014年5月24日(土)14時~17時
初夏の空の下、うつぎの花とオリーブ
・場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館3階304号室 


報告者:熊田陽子(日本学術振興会特別研究員-SPD)
タイトル:『「おんなのこ」として性風俗世界に生きる―ある東京の無店舗型SMクラブを通して見た都市的“性”様式に関する研究』


本定例会では、今年3月にお茶の水女子大学より博士号を取得された熊田陽子さんに、博士論文の内容を基に報告していただきました。



--下記、報告の要約になります。

報告者:熊田陽子(日本学術振興会特別研究員-SPD)
タイトル:『「おんなのこ」として性風俗世界に生きる―ある東京の無店舗型SMクラブを通して見た都市的“性”様式に関する研究』

要約:
博士論文の内容を一部修正する形で構成された本発表では、最初に、性に関する研究の意義・意味と、都市世界の性をテーマとするに至った経緯について説明がなされた。その後に、発表者が長期的なフィールドワークを行ってきた東京都市部のSMクラブ(X店)の日常について、主に女性従業者(発表においては「おんなのこ」)の視点から、演技(プレイ)と「遊び」(プレイ)を軸に考察が行われた。そのうえで、「おんなのこ」として他者と関係を形成するにあたって欠かせない「都市的なる『自己』」の構築(これには「自己」の切断と接合の実践が伴う)について、人類学をはじめとした「自己」の理解を批判的に検討しつつ論じられた。更にその理解に基づき、2人の「おんなのこ」の生に特化した詳細な分析が行われた。質疑応答では、全体の構成をよりわかりやすくするための提案がなされたり、「性とは何か」という重要な問いについての意見が提示されるなど、活発な議論が展開された。